一条の「電力革命」:蓄電池・エコキュートの設定

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更新履歴
*-2022.9.25燃調費上昇などで大幅修正:運転モード「節エネ」推奨、蓄電池交換費用についてなど追記しました

蓄電池のメリット

・停電時に、電気が使える(蓄電池に貯めておけば)。
・ソーラー電力ないし、電力会社から安い時間帯に買った電力を、貯めておける

電気料金プランに合わせて蓄電・放電できる

電力会社では、全国的に消費電力が少なく、発電能力に余裕のある深夜に電力が安いプランがあります。一条のようなオール電化住宅の場合は、エコキュートという夜間に電気で湯を沸かして貯めておき、それで一日の湯をまかなうのが一般的です。同様に、安い時間帯に買電して蓄電池に貯めておき、電気の高い時間帯は蓄電池からの放電で生活すると、電気料金は最も安くなります。

一条の蓄電池は、1つの時間帯しか蓄電設定できない

一条の蓄電池は、1つの時間帯しか蓄電設定できません。売電価格によってはこれが不便な可能性があります。

蓄電池の容量は、6.2kWh

グランセゾンが発売された2020年、一条の「電力革命」の蓄電池の実行容量(=実際に使える容量)は6.2kWhです(引き渡し時に一条から配布された説明書冊子巻末より)

ソーラーは、100%量は発電されない

ソーラー発電は、快晴で最も発電する時期・時間帯でも、ソーラーパネル容量の8割程度です。9割はいかないようです。

雨の日、曇りの日

雨の日はソーラー発電がほとんどないので、蓄電池を使い切れば、買電になります。
曇りの日は、曇りの程度によって発電量が大きく異なりますが、雨でなければ設置したソーラーパネル出力の1-2割以上の発電があります。

「使うほど、蓄電池は早く寿命が来る」という視点を!

上記の計算は、電気料金しか考えていません。実際は、蓄電池の減価償却を考慮する必要があるので、ここで、蓄電池は「使った方が得」か、考えてみます。
2020年契約の一条の電力革命の蓄電池は、田淵電機(ダイヤゼブラ電機)製で実行容量6.2kWh、寿命12000回充放電です。同様の蓄電池が現在92万円くらいなので、交換工事費用を含め100万円と仮定すると、蓄電池1回の充放電で100万円/1.2万≒83.3円の減価償却と算出されます。これと同等の電気料金の差は、83.3円/6.2kWh≒13.4円/kWh.よって、費用の面では、蓄電池の充電コストと、それを充電しなかったことで必要になる電力調達コストの差が13.4円/kWh以上(蓄電池更新費100万円の場合)でないと、蓄電池を使うと損なのです。なお、「蓄電池交換費用が50万円なら、6.7円/kWhが損益分岐」と計算されます。
*一条のソーラー+蓄電池セットの「電気革命」で、税込21.8万円/kWで設置できました。世間の相場からすると蓄電池分サービスのような価格かもしれません。一条のソーラーは屋根一体型なのでその分スレート屋根コストが浮くことと関係しているのでしょうか(?)

エコキュートは日中優先で湯を沸かす設定ができない

2021年度以降のソーラー売電単価は19円以下で、夜間買電単価23.8円より安いです。そのため、ソーラー発電を自己消費した方が得なのですが、エコキュートは、夜間に沸かす設定しかできません

エコキュート設定の裏技

ここで私が思いついた裏技を(当ブログでこの方法を知って転載される方は、ぜひ、この記事のURLのリンクも記載ください)。春・秋は、エコキュートの時計を12時間ずらしましょう(ずらすのは12時間以外も可能ですが、時刻で混乱するので12時間がお勧めです)。そして、湯沸かしを20-5時(少なくともうちの三菱製品だと4時以前には設定できません)に設定すると、基本設定だと、晴れの日はソーラー売電単価(21年度竣工は19円)で毎日湯を沸かせます。なお、雨の日は、電気料金的には損になる可能性がありますが、晴れか曇りの日より雨の日の方が少なく、売電単価が買電単価よりかなり安い場合はtotalでは得です。

電気料金の値上がり…と思いきや

うちは、looopでんきのスマートタイムプランにしています。これだと、春・秋(3-6月、10・11月)の10-16時が、私の住んでいる地域だと、17.5円/kWh、22-6時が20.5円、春・秋の6-10時と16-22時は27.5円です(いずれも税込)。このプランの大きなメリットは、基本料金が無料なこと(送電も担う最大手の電力会社のプランだと、最大使用電力実績に応じ、基本料金が掛かります)。なお、全国で電気料金が値上がりし、looopでんきのスマートタイムプランも2022年7月より全体に単価3.3円値上がりしました。これで、looopでんきが決める従量制の料金単価のみでも「最も安い 春秋の日中買電(単価20.8円)>ソーラー売電(19円)」となりました。しかし、燃料等調整額(以下燃調費)が上昇し続け、looopでんきの値上げ額より多く、ダブルパンチ以上の買電高騰になっています。9月からはトリプルパンチ相当額の燃調費アップが決まっています。
*後述しますが、実はlooopでんきの値上げより前に、燃調費+費エネ発電賦活金を含めると、スマートタイムプランにおいて、2021年11月よりソーラー自己消費が最も安価な電力となっていました

なお、蓄電池の電力量あたりの減価償却は、
「蓄電池更新費用/(蓄電池容量*蓄電池の充放電回数寿命)」で、これ以上の電力価格差がないと、価格の上では蓄電するメリットがありません。

蓄電池の原価償却的には、
「(16-22時と深夜の買電価格差)=蓄電池更新費用/(蓄電池容量*蓄電池の充放電回数寿命)」が損益分岐で、
⇔蓄電池更新費用=買電価格差*蓄電池容量*蓄電池の充放電寿命回数 なので、
①(16-22時と深夜の買電価格差7円/kWh)*蓄電池容量6.2kWh*1.2万回≒52万円のため、蓄電池の交換費用が52万円以上の場合は、夜間の蓄電はしない方が得
②(リビングタイム43.9-売電19 円/kWh)*6.2kWh*1.2万回≒185万円のため、蓄電池の交換費用が185万円以下なら、ソーラー発電は使う方が得 
*もし燃調費が0になり、電力会社が料金単価が据え置きだとすると、
(リビングタイム39-売電19 円/kWh)* 6.2kWh*1.2万回≒149万円のため
→ ソーラー電力は使用した方が得なのは今後もこのままでしょう。
あとは、停電に備えた蓄電をどう考えるか次第で設定を決めて下さい。電力単価の損得優先なら、上記の通り。停電への備えが優先であれば蓄電。

燃料費等調整額、再エネ発電賦活金という盲点

純粋な電力料金単価のほかに、買電には、燃料費等調整額(燃調費)と、再エネ発電賦活金が掛かります。燃調費は、電力会社とは関係なく日本国内で一律に燃料調達費と連動し変動し、飛行機の国際便の燃油サーチャージのようなものです。変動に今後も注意が必要です。実際の値は、2022年1月までマイナスでした。しかし、その後、上昇し2022年2月よりプラスとなり、その後も毎月上昇しました。結果、

2022.8時点で、燃調費5.1円/kWh+再エネ発電賦活金3.45/kWhでした。これに消費税が掛かるので、燃調費+再エネ発電賦活金で、(5.1+3.45)*1.1=9.405円/kWhが上乗せでした。電力会社が謳う電力料金単価の表示には、これらは含まれていないのが盲点です(毎月変動し、電力会社が決めるものではないから)。
すると、2022年8月のlooopでんきのスマートタイムプランの電力調達費用は以下(単位は /kWh):
*うちは2021年度の竣工のため、ソーラーの売電価格は10年間の余剰買取で、19円/kWh

【夏冬(7-9月、12-2月)】平日
ソーラー発電:19円 << 22-6時:36.9円 < 6-8時・18-22時:43.9円 < 8-18時:53.9

【夏冬】土日祝
ソーラー:19円 << 22-6時:36.9円 < 6-22時:43.9

【春秋(3-6月、10-11月)】
ソーラー:19円 << 10-16時:33.9円 < 22-6時:36.9円 < 6-10時、16-22時:43.9

*参考:うちで電力費用の安い順
①ソーラー発電:19円(売電した場合)
②春秋(3-6月・10-11月)10-16時:33.9円
③22-6時(通年):36.9円
④【夏冬】土日祝6-22時、平日6-8時・18-22時、【春秋】6-10時、16-22時:43.9円

運転モード「節エネ」がオススメ

前述の試算の結果、運転モード「節エネ」が当面オススメです。このモードだと、自己消費しきれないソーラー発電のみを蓄電し、蓄電池100%となると初めて売電します。

買電単価が上がると、ソーラー売電単価が低い人ほどトク

ソーラーパネルの設置年度(建築契約年度ではありません)が遅くなるほど、ソーラー売電単価が安くなっています。売電単価が安いと売電価格が安いので残念感があります。しかし、買電単価が高騰すると、その分、売ってもたいした額でないソーラー発電を自己消費し買電を抑えられるので、相対的にトクという考え方ができます。

「スマート」モードだと、余剰発電は、満タンまで蓄電される

蓄電に上限を設ける設定にしても(蓄電6-9)、運転モード「スマート」だと、自家消費しきれないソーラー発電分は蓄電池100%まで充電されてから初めて、売電されます

スマート、蓄電レベル6

「運転モード:スマート、蓄電レベル6、充電22-6時、使い切りレベル0」について。looopでんきのスマートタイムプランで、3-6月、10-11月に最も安い「夜間」に買電し蓄電池60%まで貯めます。その分、午前6時から消費します。雨の日以外は、日中のソーラー発電を消費し、余ると蓄電池100%まで蓄電。その後は、売電します。夕方にソーラー発電をしなくなると、蓄電池から消費。蓄電池を使い切ってから買電します。22時になると、夜間電力を買い、蓄電池60%まで貯めます。
*蓄電レベルで設定可能なのは6-10の5段階のみです。それ未満にはできません。

平日の雨は、蓄電レベル「10」の方が得なのか?

運転モード;スマートで、蓄電レベル10と比べ、「蓄電レベル6」は、雨の日以外は、夜間電力より安いソーラー発電を使用すること、蓄電池を酷使しないので減価償却的に有利です。雨の日は、「6」の方が早く安い夜間電力を使い切り、日中の高い買電となるので、電気代は不利です。ただ、どれくらいかというと、
蓄電池の容量6.2kWhの4割は、約2.5kWh. その分を夜間に充電して消費するのと、夏冬日中に買電し消費する価格差は、(リビングタイム単価-ナイトタイム単価)→7円/kWh *2.5kWh=17.5円/日です。一方、蓄電池4割多く充放電する減価償却は、蓄電池更新費用100万円とすると前述の通り83.3*0.4≒1日33円なので、蓄電レベルを増やすほど損です。

以上です。

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