グランセゾンか i-smart か

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<お勧め記事>

一条で建てようか迷っている方は、まずこちらの記事を → 一条を選ぶ。一条の制約

標準仕様の坪単価についてはこちらの記事をご覧ください。

一条の展示場で、まだ記名をされたことがない方はまずこちらの記事をご覧ください
(紹介制度について)

2021.4.14/18 窓の違いを追記しました
2021.2.28 モバイル向けの体裁(改行)にしました。
2021.2.18 記事好評のため、一部の記述を詳細にしました

グランセゾンとは

・爆発的人気を博したi-smartの後、グランセゾンは、2019年10月に先行発売という形で発売されました。
*2021年になっても、各展示場のスタッフにも詳細が明らかにされていない部分もあります

・既存の一条の軸組工法(セゾン、「夢の家」)の商品を、モダンなデザインにしたものです。なので、構造的な性能は、セゾンそのままです。
断熱性能は i-smart/i-cubeに劣りますし、間取りによりますが耐震性も劣りがちです。

*あくまでi-smartと比較するから劣るのであって、一条の家は、グランセゾン含めすべて、耐震性について国の基準で最高ランク「耐震等級3」ですし、一般住宅として十分な断熱性があります。

グランセゾンの良い点

【住設などが木目で高級感がある(i-smartの鏡面仕上げも選べます)】
 具体的には、
・キッチン・洗面台・シューズボックスの新商品が選べる。

キッチンのコンロ前の壁にグラビオエッジが標準。
 グラビオエッジとは、凹凸の大きい壁紙のようなものです。DAIKEN製です。
 グラビオエッジのDAIKENのホームページはこちら
*見た目はLIXILのエコカラットと同様のものですが、
 エコカラットには脱臭や調湿機能がありますが、グラビオエッジにはありません

洗面台は、水栓が壁から出ることで水垢がたまりにくいグレイスドレッサーを選べる。

木目調の軒天

玄関の標準が、御影石 or タイル
(*玄関ポーチの広さには標準仕様の限度があり、それより広くするときのオプション費は、御影石を選ぶとタイルより高額というpitfallがあります)

フローリングが新商品
 基本はモクリア;溝がありi-smart標準より高級感がある。
 水回りや吊押入の下には石目調フローリングという耐水性のある新商品を選べる。
*打ち合わせ時、i-smartで採用されている従来のクッションフロアは時代遅れとのことでした

和室に吊押入を選べる。幅9尺までの1個標準。

総二階でなくていいので間取りが自由(下屋で坪単価半額を請求されない)
詳しくはこちらの記事をご覧ください(一条の坪単価の仕組み)

・室内の天井が高い;1階基本265cm,和室260cm、2階250cm*水回りはいずれも240cmが標準
 それに合わせ、ドアや収納の高さが高い。
 *天井が高いと、階段の段数が多く必要になり、建築コストはやや上がります。

景観を損ねる「垂れ壁」を強制されない
 (壁で支える枠組工法のi-smart/i-cubeでは、強度を出すため、垂れ壁が必要なことも多い)
*垂れ壁とは、天井から下がる床に達しない途中までの壁。
 垂れ壁は、廊下と共有スペースの区切りなど、空間の仕切りとして採用する場合もある。

・高さ265㎝の高さの高いドア「ハイドア」を選べる。1つ標準。

書庫ユニットが選べる(2019年先行販売時の仮契約では、1つ標準でした)

・巾木の色を選べる

・軸組構法のためリフォーム向き
 i-smartの枠組工法では、壁で支えるため、壁を取るようなリフォームは難しくなります。

グランセゾンの残念な点

さらぽかが付けられない(従来のセゾンもそうです。その分、うるケア標準
*営業の方より「商品として設定がない」から、とのことでしたが、設定していない理由は不明です。

・i-smartより外壁の断熱材のグレードが落ちる
i-smartなど枠組工法は、外張り断熱という極めて断熱性の高い外壁の断熱方法で、かつセゾンより高性能なウレタンフォームパネルを使用し、Q値は0.51、UA値0.25が基準で極めて高い断熱性能です。
グランセゾン含むセゾンの軸組工法は、グラスウールより高断熱ですが、外張り断熱ではなく、断熱材自体もEPSという不燃材配合の発泡スチロールで、外張り断熱でもあるウレタンのi-smartよりグレードが落ちます。それでもQ値は0.98が基準です。
*i-smartと外観は大差ありませんが、
 グランセゾンはセゾン系の改良品で、枠組工法のi-smartとは構造的に別モノです。
*気密性のC値は、i-smart 0.59, グランセゾン含むセゾン0.61と同等です。
 ただし、木造住宅のC値は経年劣化が避けられないようです。

・i-smartの超高耐震にできない
 軸組工法のため、枠組工法のi-smartには適いません。それでも耐震等級3です。

工事枠が少ない
 軸組工法と枠組工法の大工は別です。
 i-smartなど枠組工法は地域ごとの工事枠があり、セゾンより枠が多いそうです。一方、
 グランセゾンは、建て方(上棟)が全国枠のため(2020年時点)工事枠が少ないです。
(工法の違いで、軸組であるセゾンの方が、建て方に時間を要すようです)
 2020年初の本契約の場合、最短の上棟日が、当初10か月後、
 さらに新型コロナウイルスで1か月延び、さらに一条の不手際で着工が遅れ
 着工が本契約から1年後、上棟は13-14か月後でした
 これは一般住宅新築では通常ありえない遅さのようです。土地の契約のときに、分譲地開発/地元建設業者や不動産業者が口を揃えてそう言っていました。
 しかし、一条は、本契約してから間取りや仕様を考え始める方式で、他社のそれらを決めてからの契約とはスタートラインが異なります。その分、打ち合わせや検討する時間を差し引いて考える必要があります。

・軸組工法は工期が長い;上棟から竣工まで10坪あたり1か月が目安。
*大き目の家の場合は、それよりやや短い。

・新商品のため実例がわずか。一条スタッフも実物をあまり知らない
 2019.10の販売開始から1年以上経っても、住設の寸法を聞くと、
 資料が回ってきていないから分からないと言われたりします。
*一条は、フィリピン工場でオリジナルの部材を作っています。以前は、一条の入社時の研修で、フィリピン工場見学がありましたが、20年くらい前より、産業スパイを警戒してその研修は取り止めになっています。結果、一条に長年勤務していても、現在40歳くらい以下の社員は、一度もフィリピン工場に行ったことのない人が多いそうです。
(以上、一条の担当者から話を聞きました)

・標準のフローリング(モクリア)の溝が深いので少し掃除しにくいかも
 (拭き掃除ロボットのブラーバでは、溝の掃除がうまくできなそう)。

・室内の壁がやや厚く、その分は室内空間が減る;セゾンでは15cm.枠組構法は12cm.

玄関の御影石は、土汚れなどは染み込むと取れないので注意!
 経年劣化するとどうなるかは展示場の実物を見ることをお勧めします。
 どちらも標準なので、担当建築士さんよりタイルでなく御影石を強くお勧めされました。

補足:デザインルーバー設置の自由度が低い

グランセゾンで、デザインルーバーが登場し、一定の範囲まで標準で付けられますが、
設置位置に制限があります。

・あくまでデザイン目的なので、壁にしか付けられず、
 流行の、玄関先の目隠し用ルーバーにはできません。

玄関先のルーバーを付けたいなら、一条では、外構で検討するしかないですが、
i-smart/グランセゾンのタイル外壁では難があるようです。

i-smartの良い点

さらぽかが付けられる
(ただし、高額オプションであり、かつ、「さらぽか」付けると「うるケア」は付かない)
 さらぽかでは、天井サーキュレータが設置されます(ビルトインなので、故障時に新調しにくく、古くなっても修理対応なので使わなくなっていく、というデメリットは根本的に有します)。
断熱性が極めて高い
耐震性:2020年に、一条の枠組工法で、超高耐震のオプションが付けられるようになりました。いわば耐震等級5的なものらしいです。ブログ情報によるとオプション価格は10-20万円ほどのようです。強化した壁の技術がメインのようで、その壁の技術自体は軸組工法でも採用できるらしいです。でも、2020年1月~同年秋にグランセゾンで打ち合わせをしていたウチへの案内はありませんでした。その後も一条の軸組工法で採用できる話はないので、少なくとも2021年3月頃までの時点では、一条の軸組工法では採用できないようです。
工事枠が多い
工期が早い 工場で作った壁で構造を作るため
・建築実例が多数でwebで先人に学べる

i-smartの残念な点

総二階。坪単価の設定上、総二階にしないと極めて割高。
 いらない2階部分も、吹抜け or バルコニー(ないし下屋)で、坪単価半額かかる
一条の坪単価の仕組みはこちらの記事をご覧ください
→狭小住宅や二世帯を除き、吹抜けのある間取りが多い。
→i-smartが人気爆発し、一条と言えば吹抜けみたいになってしまい、
 一条から(例えセゾンであっても)吹抜けのある間取りを提案されがち。

・構造上、天井からの垂れ壁ができやすい。これは景観を損ねやすい。

・住設の高級感はあんまり
 目が肥えると、標準のEBコートフローリングは安っぽく見えるかも。
*そもそも、i-smartはシンプルでスタイリッシュを目指していると思うので、高級感にそぐわない部分はあると思います。
*グランセゾンだと標準のフローリングは、太い幅で、深い溝で立体感のあるシート仕上げの「モクリア」です。
 i-smartで、「太い幅」のフローリングandモクリアと同等以上の高級感にするには、挽き板である「ライブナチュラルプレミアム」までグレードを上げるしかありませんが、ライブナチュラルプレミアムのオプション費は、フローリング部分の坪単価+2.3~4.3万です。
*挽き板の方が、表面が薄いシート仕上げのモクリアより高級です。
*グランセゾンでもi-smart同様にフローリングのグレードアップが可能です。

・新しい「さらぽか」の換気システムは、ロスガードより耐用年数が不明
 ロスガードも発売から20年は経っておらず、どれくらいもつかは不明らしいですが、10年以上経って、これまで私の地域で大規模な修理になった例はないそうです(一条の担当者情報)。

さらぽかは素晴らしい除湿システムですが、
 デシカント式の特性上、エアコンより消費電力が多い

窓サイズの違い

【ポイント】
・一条では、大手ハウスメーカーのような大開口にはできない。
・窓の最大幅は、i-smart 360cm、セゾン270cm(*4枚サッシ).
・最大の高さは、ismart 213cm、セゾン250cm(オプション).

<窓の最大幅>
i-smartでは横幅12尺(360cm)までの窓が採用できますが、建物の強度担保のため間取りを選ぶようです。また、真ん中の窓は大きい一枚ガラスで開放感を演出しますが、fix窓です。
i-smartなら、幅9尺の窓でも、2枚サッシの大開口にできます。
・グランセゾンなどセゾン系の軸組工法では、窓の幅は最大9尺(270cm)です。しかしそれだと、4枚サッシなので窓一枚の幅が狭くなり、視覚的にサッシ枠のぶん大開口かどうか微妙になります。具体的には、270cm / 4枚 ≒ 67cmが窓一枚当たりの幅になり、樹脂サッシはサッシ枠の幅が広いのでガラス自体の幅はもっと狭いです。
セゾンの窓ガラス一枚の幅が最大のものは、幅9尺サッシではなく、幅6尺の2枚サッシで窓ガラスの一枚の幅90cm
*一条では、鉄骨など手掛ける大手ハウスメーカーのような大開口にはできません

<窓の高さ>
・セゾンの標準仕様では、高さ7.3尺(220cm)の掃出窓(J9073)が最大ですが、オプションで、
高さ8.3尺(250cm)の掃出窓(J9083)も採用できます
。天井高が標準で265cmの1階にのみ採用可能で、費用は+8万円ほどです。
・一方、i-smartでは高さ7.1尺(213cm)の窓が最大です。標準の天井高が240cmとセゾンより低く、枠組工法は壁で支える構造だからでしょう。

 ↓ 打ち合わせの資料にあるセゾン最大のサッシです。4枚サッシです。
   左のサッシは標準、右は8万円のオプション

どう選んだか

私が建築業者選び、家づくりを始めた2019年8月、グランセゾンは未発売でしたので、i-smartⅡの一択。さらぽかに惚れこみ、すぐ仮契約をしました。その後、2019年10月にグランセゾンが先行発売。しかし、当初の私は、さらぽかがつけられないセゾンは眼中になかったのですが、本契約のときに下記を考慮しました。

・グランセゾンの住設は、i-smartより後発で改良品。
 目が肥えたらEBコートフローリングが安っぽく感じるようになり、
 同じように太い幅で凹凸のあるフローリングが標準のグランセゾンに魅力。
 グランセゾンなら他社でウリにしていた背の高いドア、木目調の軒天に、一条でできる。
→グランセゾンのデザインを家族が気に入った

セゾンは、いらない部分の2階面積をなして1階の上に屋根を乗せれば(下屋)坪単価を削れて、i-smartより費用が安くなる可能性がある(i-smartだと、総二階が前提なので2階をなくした部分も坪単価半額がかかり、無駄に総二階にしたり吹抜けになってしまう)

・「さらぽか」は、梅雨~夏の除湿は魅力だが、消費電力多く、オプション代が高い
 さらぽかを選ぶと付けられない「うるケア」も捨てがたい
うるケア;加湿が第一種換気システム(ロスガード)に標準で付けられるの加湿機能
*エアコン暖房や床暖房(石油ストーブと異なり加湿されない)を使うと、相対湿度が下がり、乾燥するため、近代住宅の冬は加湿が必要な地域が多い

・かっこよくない垂れ壁は避けたい

→結果、土壇場でグランセゾンになりました

家づくりでお勧めの本はこちら

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